DJAMEL TATAH / Collection Lambert

絵画が減少傾向の現代アート展覧会の中で、改めて絵の醍醐味を感じさせる展示

エコール・デ・ボザール パリの講師でもある、DJAMEL TATAHの個展が南フランスにある町アヴィニョンのコレクションランベールで開かれています。

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彼が最も影響を受けたという、モノクローム絵画で有名なRobert RymanやBarnett Newmanの作品とあわせての展示です。

 

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DJAMEL TATAHが描く人物は、みな同じような服装で、同じような年齢に見えるのですが、本当のところアイデンティティが特定できない、というのが特徴です。また表情も同じく特定しづらく、ゴシックスタイル絵画のよう。

そして背景はマットなモノクロームですが、よく見ると単調なモノクロームではなく複雑な深みがあることがわかります。

彼は油絵の具とテレピン、そしてCarnauba waxというヤシの木からとれるワックスを混ぜて使うそう。

構図は様々なパターンがありますが、鑑賞者の視線はキャンバスの外に向けられるようになっています。P1010913

これらは全て、鑑賞者が想像力を働かせることができるよう計算されているのでしょう。特定の情報を与えないから、見る側が性別、年齢、感情、ストーリー、人間関係、キャンバスの外で起きていることなどを、自由に想像することができます。

Mark Rothko(マーク・ロスコ)の作品も一見シンプルですが、実際に彼の作品に触れると非常にスピリチャルで幾層にも重なる色が深層心理に訴えかけてきます。単純に見えるものほど、実は複雑なのかも知れません。

余談になりますが、DIC川村記念美術館が所蔵するMark Rothkoの〈シーグラム壁画〉シリーズはもしご覧になっていない場合は、是非おすすめです。シリーズのうち7点のみ所有ですが、素晴らしい絵画体験ができる場所になっています。

美術館やギャラリーの現代アート展示で絵画を見る機会が少なくなっている昨今ですが、DJAMEL TATAHの展示では絵画の良さを改めて感じることができました。


 

コレクション・ランベール(アヴィニョン)にて

2018年5月20日まで

 

 

 

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