東京墓情 荒木経惟×ギメ東洋美術館 Tombeau Tokyo/Nobuyoshi Araki × Musée Guimet

この夏、東京は荒木経惟の展覧会が目白押し。

先月は、タカ・イシイギャラリー フォトグラフィー/フィルムの「写狂老人A 17.5.25で77齢 後期高齢写」。今月は銀座シャネルのNEXUSホールで、『東京墓情』。この夏は荒木経惟の個展が次から次に開かれます。そして今後も。1960年代から撮り始め、今でも意欲的に活動しているのだからその作品数たるや膨大で、観るべきものがたくさんあるのでこちらも暑さに負けてはいられません。

アタシはもう、棺桶に片足を突っ込んでるの。
あの世で自分が撮る写真はどのようなものになるのか、探ろうとしているわけなの。

ーChanel Nexus Hall公式ページより

さて、『東京墓情』は少し趣向が変わった個展で、フランスにあるギメ東洋美術館が所有する昔(江戸時代など)の日本を映した写真と、荒木経惟の写真を一緒に展示。浮かび上がるのは意外な『共通点』。荒木は花や人物、景色など様々な被写体を撮りますが、江戸時代の写真のエステティックな部分がどこか似ているのです。それは日本人が自然と培う美意識みたいなものかも知れません。ギメの写真は古いもので、誰が撮った写真かは分かりません。ただ、そこに映されている日本と荒木が切り取る日本には、違和感や距離感があまりない。だから展示としてもすごく一体感を保っています。過去の写真家と荒木が共鳴しあっているようで、そして100年後荒木があの世で撮る写真と現在彼が撮る写真を見比べたらどうだろう、と想像せずにはいられないのです。

荒木といえばエロス/タナトスという生死にまつわる感性、どの作品にもそこはかとなく漂う、夢幻、無常感が特徴のひとつだと思いますが、全ての写真からそれを感じました。薄暗い展示室も、心理的効果を与えているかも知れません。何かに囚われてしまったようで、展示室を出てからの現実的な銀座の様子にしばらく戻ることができなくなるほどでした。

東京オペラシティアートギャラリーでは『荒木経惟写狂老人A』展(7月8日〜9月3日)が開催中で、7月25日からは東京都写真美術館で『総合開館20周年記念 荒木経惟 センチメンタルな旅 1971-2017-』がスタートします。その前に銀座シャネルへ行って『東京墓情』を観ることで、さらに奥深くアラーキーワールドに沈めるかも。


東京墓情 荒木経惟×ギメ東洋美術館
CHANEL NEXUS HALLにて
7月23日(日)まで

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