1% artistique

フランスには『1%アーティスティック』という制度があります (Le 1% artistique)。歌のタイトルにでもなりそうなこの法律はどんなものかというと、公共施設を建設する予算のうち1%を、現代アート作品のために割り当てる、というものです。作品の数は限られておらず、特別に創作を発注したり、既存の作品を買い取ったりするケースがありますが、いずれの場合も該当プロジェクト(建築物)と融和することに重点が置かれます。作品の種類は、絵画、彫刻、グラフィック、ランドアート、ビデオ、サウンドアートなど多岐に渡ります。

1951年から実施されているこの制度の目的は、日常的な空間での現代アート創作をもっと発展させることです。 国、または地方行政(地域圏、県、など)が出資者となり、公共の建物を新築、拡張、または再建工事する場合に適用されます。ちなみに公共の建物とは、病院、図書館、大学、高校、研究所などで、最近では歴史的建造物、庭園なども含まれるようになりました。80年代からだんだんその数は増えて来ていますが、まだ全ての工事全てに適用されているとは言えません。やはり自治体の予算の都合など事情があるようで、積極的に実施している街とそうでない街の差があることも確かです。

アーティストにとってみれば、この財政援助は資金面はもちろんのこと、その実験的側面においても貴重な機会といえます。依頼主、施行主、建築家、他のアーティストとの意見交換、共同制作などの体験もできますし、利用者との交流も含め、新しい出会いや経験を積めるわけです。 当然プロジェクトを遂行する上で、デザイン、グラフィック、景観設計やビデオ制作など様々な創作形態が用いられるわけですし、現代アーティストの才能が芸術遺産を豊かなものにしています。

フランスの街を歩いていて現代アートを目にすることがあったら、それはこの『1%アーティスティック』プロジェクト一環かも知れません。ちなみに写真はモンペリエにあるMusée Frabreの改装工事に伴い創作されたDaniel Buren作『La Portée』(2007)の一部。この作品は外部からエントランスホールまで7つの空間で展開されています。もちろん、『1%アーティスティック』です。

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