Maurizio Cattelan “Not Afraid of Love”

写真の作品は、Maurizio Cattelan (マウリツィオ・カテラン)の『Him 』(2001)。顔はヒトラー、体(服装)は子供で、教会でひざまずき祈りを捧げているようです。

カテランはフィギュアによるインスタレーションを中心に制作する、イタリア人の現代美術家。フィギュア、という言葉は正しくないかも知れません。では彫刻?人体模型あるいは人形?例えば、『無題(2001)』を見てみると・・・。

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『無題』(2001)

作家をかたどったフィギュアが、展示室の床を突き破って覗いていて、近寄って見下ろすと本当に下の階まで見えてしまいます。

 ユーモアの効いた風刺、批判、疑問提示、これらが彼の作品の特徴です。というと思いつくのはマルセル・デュシャン。確かにデュシャンの精神を引き継いではいるけれど、カテランは『モノ』を選択するところに芸術的意味を見いだそうとはしていません。拾ってきた物を展示するのではなく、『モノ』を作っているので(自分で作っているのではないと思いますが)。彼は言葉でまじめに語ると伝わらない、あるいは語ることができないメッセージをユーモアや風刺というオブラートにくるんで見せてくれます。さらに作品の多くが彼自身をかたどっていことからわかるように、それらは自画像の意味合いも含んでいるのです。

 今回最も印象的だったのは、『All』(2009)という作品。

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『All 』(2009)

これを見て、何を思い浮かべますか。亡骸、でしょうか。もしかしたら、別のもので、見る側の思い込み、先入観?。各個体の形はバラバラで、まっすぐ仰向けになった状態ではありません。むしろシーツの下で誰かが寝ている感じ。人ではないかも知れません。こういった『気づき』を経験できるのが、彼の作品です。ちなみに、この作品はイタリアのカッラーラで採れた大理石で造られています。カッラーラの大理石といえば、ルネサンス彫刻。ミケランジェロがこれを見たら、何て言うでしょうか。


Maurizio Cattelan “Not Afraid of Love” 
Monnaie de Parisにて
2017年1月8日まで
公式サイト(英語)
https://www.monnaiedeparis.fr/en/exhibits/maurizio-cattelan

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